各々のとくいわざ

あれこれ

(このビニール製の鷹?トンビ?は作物を荒らす鳥たちを脅かすのが得意です)

このところ、踏んだり蹴ったり状態のシエばあちゃんですが、動けないなりにすごいワザを習得していたことを先日知りました。

茶の間の一人掛けソファがばあちゃんの特等席。いつも同じ場所で、うとうとしたり、テレビを見ながらご飯を食べたりしてます。

私も傍らで世間話をして、ニュースにつっこみ入れたりしていると「シュッ!」と風を切る音なき音。

続いて『 バンッ 』という衝撃。

驚きに時が止まった私とすんちゃんを気にもせず、ばあちゃんは「あー、逃げられたー」と座ったままハエたたきを振り回してみせました。(いったいどこから出した?)さらにもう一度、シュッ、バンッ、が繰り返されると、黒ゴマほどの大きさの小バエさんがつぶれていました。

その速さといったらもう、私は「マッハ?」と感じたけど、そんなわけはないね。ばあちゃんのどや顔が妙におかしくて、すごいすごいと褒めまくってしまいました。

誰にでも得意なことってあるんだねえ、そんな風にすんちゃんと話しながら家まで帰りました。実は、すんちゃんにも今まで知らなかった得意技があるのを、最近知ったばかりなのです。

右側のふたつにマジックで「ゆ」と書いてあります

すんちゃんは何でもできる人だけど、まさかあんなに絶妙な黄身とろとろのゆで卵がつくれるとは知らなかった。

ポヨと男ふたり暮らしの時には、朝ごはんを持って早朝出勤していたようです。ひと仕事してから始業までゆっくり朝ごはんを食べるのが、ちょうど良いペースだそうで、今もそうしています。持って行くのは、ホットサンドやチーズ、バナナなど簡単に食べられて、おいしいもの。らんどく特製(というほどでもない)全粒粉の丸パンと自作黄身とろゆで卵も最近のお気に入りのようです。

すごいねえ、やるねえと、こちらは本気でほめました。

ところで、私の得意技はなんでしょう?

ふっふっふっ。まだ誰にも言ったことがない、とっておきの秘密の必殺技をもっているのだよ。

ここ2年ほどはペースが落ちているとはいえ、ジャンルを問わず年間300冊以上を読破してきたわけで、時代ものの立ち廻りだとか過激な乱闘シーン、ハードボイルドに闇社会の掟、海外の軍隊もののヒーローが悪態をついて武器を振り回す、そういう乱暴な場面に浸ること数知れず。そんな危ない場面は嫌いじゃない。というよりむしろ好み。

私の脳内ボキャブラリーライブラリー(今作った言葉)には『ものすごく荒々しくて、聞いたら誰もが震え上がるような罵倒語』がたくさん詰まっているわけです。つまり「やいやいてめぇら、×××して○○だから覚悟しろ」みたいなやつです。

見るからに無害そうなおばさんが、いざとなったら、ものすごい啖呵を切るってかっこよくないですか?

すんちゃんにそう言ったら「だめだめ、いくら凄んでも、らんどくちゃんはぜんぜん恐くない」と余裕で応えたけど、そのときになって震えあがってもしらないよ。ぷん。

さて、骨折で家に籠もっているシエばあちゃんですが、お医者さまに「お風呂は駄目。シャワーは良いけど包帯を濡らさないでね」と言い渡されてます。それでなくてもヒザに水が溜まっていて、このところ自力での外出は出来てません。がんばって出かけてみたら、転んでしまったのです。

もう少し若いころは、絵手紙やらパークゴルフやらいろいろやってたけれど、ひとりで自宅でできる趣味がありません。カセンとの散歩も行けないし、毎日うつうつとしていました。

「ばあちゃん、美容室で髪を洗ってもらったら気持ちいいんじゃない?」

身体の方は濡れタオルで汗を拭けても、髪は難しい。私も腰の金具の関係で前かがみは難しくて、洗ってあげられません。それに行きつけのお店とはいえ、美容室への”お出かけ”は気分転換になるでしょう。

そうだねえ、とまんざらでもない様子。予約しなくちゃと、さっと電話をかけたのが昨日のこと。ついでに(?)カセンもシャンプーの頃合いだからと、ワンコの予約まで済ませました。すばやい。

今日の午後、約束の10分前に迎えにいくと、ばあちゃんはきちんとお化粧して待っていました。普段はつけないオパールらしき指輪をつけ、玄関には白い余所行きのサンダルが用意されています。そうでなくちゃ。いつまでも綺麗でいようね、ばあちゃん。

見よ、すんちゃんのゆで卵。この半熟具合。でも殻のむき方が下手でした。ごめん。

コメント

  1. すとらと より:

    一年に300冊以上ですか!らんどくさんの中にはたくさん世界があるんですね。もしも頭の中に遊びに行かせていただけたら、とても楽しそうです(^^♪
    私にも得意技が一つあります。それは“自分が子どもであると思いこめること”です。おかげで興味が沸いたことは本やネットの子供向け講座なんかからいつでもとびこめます。デメリットは外でガラスに映った自分の姿を”不審なオバサン”と認識して逃げようとすることでしょうか。先日は久しぶりに乗ったバスを子供料金で降りるところでした(汗)

  2. すとらとさん、年をとるとみんな子どもに戻って行くそうですよ。お若い方かと思ってましたけど、もしかしたら同年代?
    そういえば私のもうひとつの得意技は、読んだ事をすぐ忘れられることです。何度も同じ本を読むし、買います。自分の本棚を見てびっくり。