お助けグッズ、いろいろあり〼(ます)

「老い」に向き合う

「いろいろあり〼」の四角に斜め線の「〼」が「ます」だと知ったのは、中学生のころです。そのころは室蘭市の造船所のすぐ隣に住んでいました。すぐとなりって、誇張じゃないですよ。公宅の玄関をでてほぼ10メートルで海でした。小さな造船所があって、柵で隔てられたものすごく沢山の公務員官舎があって、漁師さんの家もすぐそばにありました。

学校からの帰り道に、漁師さんの家の横を通ります。何件かは玄関先に「カニあり〼」と書かれた板札をぶらさげてました。このあたりで獲れるカニは毛ガニで、何度か母が買ってきました。なんたって毛ガニがいちばん美味しい!と思うのは、このあたりの記憶からでしょうね。

さてこれは何でしょう。長男ポヨの必需品です。

私は毎晩シエばあちゃんの所へ顔を出します。夕方5時前に、晩ごはんのおかずを持って行ったり、カセンのオヤツを運んだりするんです。忘れちゃいけないのは冷蔵庫のチェックで、消費期限が過ぎているものがないか確認して、密かに処分したり、新しいものに入れ替えたり。

毎日確認しているつもりでも、野菜が溶けかかっていたりオカズにカビが生えてたりはしょっちゅうです。あまり量が食べられないので、半分残して冷蔵庫に入れて、そして存在を忘れちゃうんでしょうね。スーパーで買ったお惣菜などは、思ったよりもたないけど、ばあちゃんの辞書に「消費期限」という言葉はありません。

このごろは午後4時半を過ぎると暗くなって来ますね。ばあちゃんちへ行くときは、もう真っ暗です。そんなときにはポヨに買ってもらったある物が役立ちます。私が忘れていても、心配性の長男が必ず手渡してくれます。

カセンの首輪ではありません。

ちょっと分かりにくいかもしれません。これはアレです、アレ。正式名称は何ていうんですかね、腕に巻きつける反射板です。車のライトが当たるとよく光るやつです。

シエばあちゃんの家までは徒歩で5分くらいです。でも歩道は無いし、細くてカーブしてるし、どこのお家も道路に面した窓が暗いんです。車は時たま、こっちが油断した頃に通ります。それでポヨが買ってくれたお助けグッズが、どピンクの反射板です。彼は自分用にはもっと物々しい反射板を買いました。(私は辞退いたしました)

両方装着すると、こんな風になります。悪目立ちするからスーパーには着けて行かないでほしいくらいです。これ実は、自分で身につけるのは、結構難しいんですよ。特にポヨのように、エプロンひとつであんなに苦労するタイプには無理です。必ず「上下反対」「裏返し」「途中で捻じれている」を一通りやってます。

一般人の買い物スタイルとは思えません

ポヨは暗い夜道を歩いてスーパーに行き、割り引きシールを貼られたお肉を買い込むのがストレス解消になってるそうなので、苦労しながらも毎度「装着!」しています。自分の身は自分で守る、です。

らんどくはこのところ以前よりも視力が落ちて、筋力も落ちて、記憶力ももちろんどんどん落ちています。落ちていないのは体重だけ、と他人に言われる前に、自分で言っておこう。

生活していく上で不便なのが握力が落ちたことです。これまでは何てことなく開けられていた瓶のふたが、どうしても開きません。瓶のふたどころか、引っ張って開けるプルタブ、缶詰の蓋、ヨーグルトなどの内側の物(あのピンっと張っているビニール)ですら苦労しています。なんでしょう、これは。

それでも自宅にいるときは、すんちゃんやポヨに「開けて~」と持っていけば済むんですが、困るのは外出したときのペットボトルです。ほんっとに固い。ぜんぜんダメです。握力だけの問題じゃないんでしょうね、手が乾燥しているんでしょう。そういえばビニール袋を開くのも大変になりました。

実家の母がまだ一人で買い物に行けてたころ、大型ショッピングモールのフードコートでお昼を食べることがありました。そこの食品売り場でお寿司のパックとペットボトルのお茶を買って、さあ食べましょうと思ったところで、どうしてもお茶が開けられません。あたりを見回しても、自分と同年代の”お年寄り”ばかりだったそうです。一番近くに座っていたおじさんに「あの、これ・・・」とおそるおそるお茶を差し出して、開けてもらおうとしました。

言葉足らずだったんでしょうね。おじさんはキョトンとして「俺にくれるのかい?」

80歳すぎてあやうく「ナンパ」してしまうところだったという笑い話ですが、私もその境地に足を踏み入れています。そこで最近、バッグに常備しているものが増えました。使っている人も多いかもしれません。

ペットボトルのキャップにぴったり!
内側にギザギザがついています。

気持ちいいほど、ぴたりとキャップにハマります。開ける力もほとんど要りません。助かるなあ。家にはもっと大きな口径の瓶のフタ用のグッズもあるのですが、それを使うのにもまた握力が必要なわけで、本当に苦労しております。世間のみなさんもきっとこんな風なんでしょうね。どうやって乗り越えているのか、その工夫を知りたいところです。

↑ こんなんです。「介護用品」「福祉用品」というキーワードがついています。

このブログを書いている横で、ポヨが朝ごはんを食べていました。「お助けグッズについて書いているんだよ」と教えると、「私なら、眼鏡と答えるけどね」(家の息子たちは昔から自分のことを”私”といいます。ピカはときどき”ワシ”とも。どっちにしてもシブいです)

「特別なグッズじゃなくて、普段助けてくれているのは眼鏡だから」なるほど。超近眼の意見です。ではらんどくにとって、普段助けてくれるものはなんじゃろ? ここで「家族の愛」とか書くと、きれいにまとまるところですが、グッズじゃないし。 ・・・もう少し考えさせてください

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コメント

  1. すとらと より:

    ポヨくんのそれと似たものをどこかで見たことがある気がしましたが、なるほど反射板でしたか。とすると、私が見たのは誘導員さんが身に着けていたものだったかも…
    そうそう、超近眼にとって眼鏡&コンタクトレンズは究極のお助けグッズなのですよ。私ももしどちらもなかったら、一日も生活できないです。
    私にとってのもう一つのお助けグッズは「家計簿」です。そう言うとなんか「ちゃんと金銭管理してる主婦」風に聞こえちゃうかもしれないけど、節約やら貯蓄やらに役立ったことはほぼ無いです。何に役立っているかというと、備忘録としてなんです。忘れっぽいうえにすぐものを失くすので、必要なことは何でも家計簿にメモしています。手帳とかなら外出時になくしてしまうので、いつも家の中にあり手の届くところにおいてあるこの家計簿は生命線の一つとなっています。数字が書いてあるものが好きなので、もし記憶喪失になっても絶対目を通すだろうと頼りにしている相棒です(*^^)v

  2. すとらとさん、こんにちは。
    家計簿・備忘録つけているんですね.えらいなあ。
    私なら,つけていることを忘れそうです。

    「三日坊主」って言いますが、私の場合はきっと「三日で挫折した坊主」じゃなくて、「三日になる前に、やってたことを忘れてしまった坊主」ですね。「あ、そういえばそうだった」と思うのがなんと多いことでしょう。