要支援と要介護の間。シエばあちゃんは「曇り時々晴れ」

「老い」に向き合う
そろそろ冬支度が始まります。この薪を切っていて、すんちゃんは自分の指も切りました。(まだくっついてます)

先日、シエばあちゃんちに顔を出すと、なんだかご機嫌で鼻歌なんか歌ってました。おや、珍しいと耳をすますと、どこかで聞いたことのあるメロディです。

昔、何度も歌ったことのあるあの曲。でもまさかシエばあちゃんが、これを知ってるとは思えないし。鼻歌に合わせて、らんどく脳内で(無言で)再生してみました。

🎵はーるかな星がー、ふるさとだー。ウルトラ〜セブン ファイタ〜セブン ウルトラ〜セブン セブン セブン🎶 (「ウルトラセブンの歌」東京 一 作詞、 冬木 透 作曲)

そうです、もう50年以上前のテレビドラマ「ウルトラセブン」です。ウルトラシリーズのTV放映が始まった時にはらんどくはまだちびっ子だったけど、たちまち大ファンになりました。シリーズの主題歌はどれも素敵で、『キャプテンウルトラ』の歌がこの世で1番かっこいい!と感激したのは(データによると)姉らんどく5歳、弟ハロ2歳の事です。

そんな昔のウルトラセブンの主題歌を、なぜばあちゃんがゴキゲンでハミングしてるんでしょ?歌詞はついてないものの、メロディはほぼ完璧。最後の🎵進め〜銀河の果てまでも〜ウルトラアイで「スパーク」🎶まで、見事に鼻歌で完了しました。思わず拍手しちゃいましたよ。パチパチパチ🖐️

すごいねーと誉めちぎると「子供たちが小さい頃に聞いてた歌だからね」とニコニコ。居間のテレビでは夕方のワイドショーがついてます。そういえば、この時間帯には「ウルトラセブンが出ている冬タイヤのコマーシャル」をやってるなあと思い出しました。ちゃんと主題歌も流れるはずです。ばあちゃんはそれを聞いたんでしょうね。

↑これですね、ウルトラセブンがコマーシャルにでているタイヤ。もう冬タイヤの交換を考える季節ですか。

きっと何の歌なのかはわかってないのでしょう。このハミングした事も明日には忘れてしまうんでしょうね。それでも「すごく昔の歌を楽しそうにハミング」してるばあちゃんは元気そのもの。本当に認知症なの?と他人が見たら思うに違いありません。

昨年の介護認定で「要介護1」だったシエばあちゃんに、1年たって再認定の時期が来ました。ケアマネさんから連絡がきて、このあとの手順なんかを説明してもらいました。行きつけの病院で「意見書」(正式名称違うかもしれない)を書いてもらって、市から派遣された認定員の人が来て・・・って、今まで何度もした事ありますね、これ。

じん子母さんの時も、多い時は1年に数回ありました。初めの認定の時と、利用施設を移って新しいケアマネさんになった時と。あまりにじん子母さんの「症状が重い(施設の方の説)ので、要介護2の訳がない」とかでやり直してみたりね。その時は認定変わらずだったけど、半年後には要介護4にグレードアップしてました。

毎度立ち合ってらんどくが「あらあらあら〜」と思うのは、役所から人が来ると、ばあちゃん達が(多分じいちゃん達も)張り切っちゃうって事ですね。受け答えはキビキビ。はい、何でも一人で出来てます!はい、どっこも悪いとこありません。え、足ですか?ナンボでも歩けますよ、何なら走りますかー?

すごいな、ばあちゃん。日頃めったに見ないテンションだね。アドレナリンが出まくりなのかな。さっきまで膝が痛くて犬の散歩ができないって言ってたよね。でも「こんな嘘八百でどうすんの」とドキドキしてたのは初めてのうちだけです。今は毎回『ホントのシエばあちゃん お世話係・長男の嫁らんどく記入』みたいな書類を用意してるので大丈夫。これをその時々の認定員さんと主治医の先生にも渡しています。

今日の空は不穏、カセンのお散歩も「徐行」で

ところで携帯会社が「声を入れただけで認知症の可能性があるかどうか判断するサービス」を始めたそうです。今朝のニュースでやっていました。自分の名前や生年月日なんかを電話口で答えるだけで、判定してくれるんだそうです。かなり高い確率で正しく判定するという事だけど、「へえー、それホントかなあ?」と思った人は沢山いるんじゃないかな。

シエばあちゃんの受け答えは、まさか要介護状態だとは思えないほどキビキビ・シャキシャキしてますからね。信じちゃいけない、初期認知症患者の”大丈夫”、ですよね。認知症の本人がかなりとんちんかんだっていうのは、近くにいる家族にはよくわかるというか、家族にしかわかんないかもしれないというか。そこんとこ、かなり悩ましいです。これは認定のプロさんの能力を信じる他はありません。

いきつけの病院で最近の調子を見てもらって、同じ週に認定員の方が訪問してくれました。「ばあちゃん、眼鏡先生のところでいつもの薬もらおうね」と出かけて5分後に「車の中で待ってるから、らんどくちゃんの用事をすませておいで」と言われた事は、ご愛敬というか想定の範囲内というか。認定員さんへのお手紙にはその件もバッチリ書きました。なんだか告げ口してるみたいな感じです。

あとは結果が来るのを待つだけです。実はデイサービスのケアマネさんから「シエさんが普段とても元気そうなので、要介護1が要支援に変更になるかもしれませんね」なんていわれていました。家族にとっては、この1年でできないことが随分増えたんですけどね、本人が「何でもできる」「どこも悪くない」と断言しちゃうもんだから。

ほら、今も「らんどくちゃん、晩の薬がそっちにないかな?」と電話が来ました。

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