上の写真、ちょっとぼやけていますが、本屋で買ったちいさな布のバッグです。右側はマザーグースの「男の子って何で出来てる?」のイラスト。
書店のレジのあたりに何種類かぶら下げてあって、デザインがみんな本に関係するものだから、つい手に取ってしまいます。たしか百円台で買えるものです。
自宅のそばにも、この間まで住んでいた実家のそばにも本屋さんはありません。本屋に行くときは前の日から「明日は本屋に行くぞ」と気合を入れ、何時のバスに乗ろうか、どこの書店に行こうか、お昼はどこで食べようかとそれはもう楽しみにしています。私の中では一大イベントですからね。それが週に何度あろうと、毎回計画を練ります。
歩きやすい靴を履き、そこそこ荷物が入るバッグを斜めにかけてさあ出発。
数時間の書店巡りの後は、どこか感じの良い喫茶店で手に入れたばかりの本を読みたい。その一冊は肩掛けバッグにしまい込まずに手に持ちたい。でもむきだしじゃあ汚しそうだし。そう思う本好きたちがレジのあたりでちょうどよい物をみつけたら、買っちゃいますよね。
何枚か持っている中でお気に入りはこれ。梯子に乗った人が遠眼鏡で遠くをみているイラスト、そして”No way before me. A way behind me.”と書いてあります。「僕の前に道はない。僕の後ろに道は出来る」 高村光太郎です。
「僕の前に道はない。僕の後ろに道は出来る」
高村光太郎 「道程」
雑誌がちょうど一冊入る大きさ、文庫本なら3冊くらい。持ち手は肩にかけられる長さですが、あまりに小ぶりで普段の買い物向きではないのです。こんなにあってもなあと、ちょっと持て余していたこの夏、新たな使い方を見つけました。
今年の夏は例年になく暑さが厳しくて、昼間も大変だけど夜はもっと辛い。実家はマンションの一階で夜は窓を開けられず、エアコンも無く、扇風機はただぬるい空気をかき混ぜるだけ。頼みの綱は凍らせて使う「アイス枕」でです。
ところがアイス枕をお使いの方には同意してもらえると思うけど、あれ寝ているうちにどこかへ行っちゃうんですよね。三つのアイス枕にタオルを巻いて、首の下・脇腹のあたり・膝の裏(わかる?)にセットしても、夜中に寝苦しくて目覚めると、アイス枕はもうあちこちに散らばってます。タオルも同じくあちこちです。
夜中に起き上がってアイス枕をかき集めて、ちょっとイライラしてました。
ふとベッドの脇を見ると、麻でできた白い袋がたくさんあります。大きさはちょうどアイス枕が入るくらい。ぴかーん。(ひらめいた音)
三つのバッグにアイス枕をひとつずつ入れてみました。タオルを巻かなくても冷たさがマイルドです。両方の肩にひとつずつかけて腕で抑えるとちょうど脇に収まります。残りのひとつは持ち手を片足にくぐらせてから膝の裏に。ああ、なんと良い塩梅なんでしょうか。わたしってば天才。
なんと素晴らしいことに、朝まで枕(というかバッグ)は体から離れずにそこにおり、私は元気に目覚めました。北国の夏は短いけれど、この「書籍用バッグ兼アイス枕収納・安眠袋」にあと何回か頑張ってもらおう。冬バージョンの使い方も考えてみよう。
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