野良植物を食む(のらしょくぶつ を はむ)。私も虫たちも

むし
風にゆれるときれいなんだ、これが

(夏雪草とは絶妙なネーミング。白くてふわふわ。もらった時は”スコップひと掬い”だったのに、いつの間にかこんなに広がりました。奥はこれまた繁殖力が半端ないアイビー、その上は北海道特有の果実ハスカップ)

北海道ももうじき「夏!」。この時季になると庭の野草や雑草達がガゼン活気づいて、ジャングル状態です。食べられる草もそうでないのも、植えたのも勝手にでてきた雑草も、もう一緒くたです。

そんな中にらんどくが「ノラ(野良)」と分類しているのもあります。野良ウド・野良アスパラ・野良パセリ・野良桑の木・・・。植えた覚えは無いけれども、何故か毎年同じ所に我が物顔に出てきます。どこから来たの、あんた達? 聞いたって答えりゃしませんが、まあ、桑はなんとなくわかります。鳥が桑の実を食べてらんどくんちにポトンとしたのでしょう。ウドもねえ、独活と書くくらいだから一人で生えてきたのでしょう。(ホント?)

じゃあアスパラはどこから?花壇の花の中からヒョロヒョロっと1本生えてるのを見たときは、びっくりしましたよ。細すぎて食べる気にもならずに、何年もすぎました。今は3本程に増えたけど、まだ細いまんまです。周りの草花が元気すぎて、根っこが十分に育てないんだろうなあ。

壁ギリギリの桑。根元に半野良のハーブ

この写真の桑の木は、ずーっと桑だとは思わずに、こんな壁際で邪魔だなぁと毎年切ってました。それでも根っこを残してたせいかズンズン育ち、いつの間にやら2階まで届く勢いです。ここ数年は葉っぱはカイコのご飯として大変重宝しております。小さいけど実もなるしね。(ジャムにしても、舌触りが悪いけど)

初夏の朝。らんどく的ルーティンは、庭の食べられる草や実の採取です。農家やガーデニング趣味の方の庭とは違って、うちのジャングルはほとんど管理されてません。雑草を掻き分け、虫たちと競争での収穫です。ワイルドストロベリーが熟すると、それっと小さな虫たちが群がって来ます。そこへ無慈悲な巨人らんどく登場。「はいはい、どけてねー。ごめんねー」と虫を払ってイチゴを採ります。えーっとか、きゃーっとかとかいうチビ虫たちのブーイングが聞こえ(るような気がし)ます。

小指の先ほどの小さなワイルドストロベリーと、更に小さいハスカップの実は一緒にレンチンして、ミックスジャムに。ヨーグルトにかけると濃い赤紫がきれいなんですよー。ハスカップは北海道の気候に合ったベリーで、冬の間雪に埋もれても、小枝が折れても負けずに春には花を咲かせます。ものすご〜く酸っぱいので、ジャムもかなり酸味があります。

これがハスカップ

初夏はハスカップとワイルドストロベリー。そのあとばあちゃん家の裏の梅の木とブルーベリー。秋にはプルーンやマルメロ。ジャムにしたり漬けたりして一年がゆっくり過ぎていきます。

助けてー、とキャベツさんの悲鳴

雑草パラダイスのらんどく庭にも、ちょっとだけ「ここ栽培中」みたいな一画があります。やたら元気なヘンルーダ(ルー)と毎年植えてるキャベツがあって、そしてキャベツはこんな状態です。(上の写真)ここは人間様のものではなくて、虫さんたちのレストランです。写真の中にアオムシさんが3匹写ってますよ。

もりもりキャベツを食べてるアオムシの中には、動かなくなってしまってるのもいます。身体の周りには小さな黄色い卵形のもの(実は繭)がくっついて、ああこれはハチさんにやられたなとわかります。

キャベツがアオムシさんの襲来を受ける→キャベツからSOS信号(匂い成分)が出される→それに気づいた寄生蜂がやってきて→もぐもぐしているアオムシさんに卵を産み付ける→卵がかえり、まわりにあるアオムシさんをもぐもぐして大きくなる。そんな仕組みです。

寄生蜂はキャベツを助けようという正義の味方ではなくて、アオムシも可愛いからといって「被害者」というわけではもちろんなくて、キャベツも動けないからといって弱いわけでも強いわけでもありません。そんなもんだよなー、と淡々と観察するらんどくであります。

こんな模型があります。たぶん教育関係に使うんでしょう。値段が高すぎて個人用じゃないはず。これ、卵・小さい青虫・大きい青虫・蛹・モンシロチョウがアブラナみたいな花と葉っぱにつかまっています。ケースは約10×26×35cm
重さ:約1.1kgとかなり大きいです。リアルで面白いなあと思うけど、これに寄生蜂(コマユバチ)の生態も組み込むと、自然界の弱肉強食・諸行無常を感じさせるひと味違った教材になるんじゃないかな?

ダメかー、子どもたちのトラウマになるかー。反省。

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