若いころはバリバリと堅かったすんちゃんの髪の毛は、ゴマ塩頭に変わった最近では、すっかり柔らかい髪質になりました。 スタイルは長年変わらずシンプルに短くカットしただけで、それが伸びてきて見苦しくなった頃に、また切りにいきます。体重も体形も出会った41年前とおんなじ感じ、服の趣味もお馴染みのものです。そのせいかどうかはわかりませんが、おんなじところに判で押したように寝グセができます。
頭の各部分の名前は何て呼んだらいいんでしょう。天辺じゃなくて、真横でも真後ろでもないあの辺り。すんちゃんの寝グセは正に”ソコ”にあるんだけど、地図も住所もない場所を、文章で説明するのは難しいですね。目の前にいる人にだったら、この辺にこんな感じにね、ってジェスチャーで伝えられるけどね。
画家・星野富弘さんのエッセイに、こんな話があります。教員だった星野さんは、体育の授業中の事故で肩から下を動かせなくなりました。お母さんの手助けで、口で絵筆を咥えて花などの絵を描くようになりました。ずっと寝たきりの星野さんは、頭か痒いときはお母さんに掻いてもらわなくてはなりません。それこそなにも手がかりのない、何の目じるしもない頭です。自分の痒いところをお母さんに正確に伝えられません。「も少し右」「行き過ぎた、もっと下」とかいろいろ葛藤(?)があったことでしょう。
ところで、そのころ星野さんの頭には、毛の生えてない部分がありました。いわゆる「ハゲ」というやつです。ストレスからなのか、枕で擦れたからなのか原因は覚えてませんが、ある日「かあちゃん、ハゲの横がかいい」と言ってみたところ、お母さんは一度でピタリと痒い部分にたどり着いたそうです。あらまあ、目じるしって便利。
ところ代わって(頭代わって)らんどくの頭皮には、わりと大きいホクロがあります。色が肌色で立体的なので、ホクロというよりは”いぼ”かもしれません。そしてご想像どおりに、美容室での仕上げのときに便利に使わせてもらってます。「前髪はどのへんで分けますか?」とと聞かれると、そのホクロの横あたりでと答えています。もちろんどこの美容室でもほぼピタリと収まります。
もともと「地図が読めない女」の代表みたいならんどくですが、カントリーサインにはいつも驚かされてます。ぼーっと運転していて、え、ここはもう七飯町?。これは新幹線の新函館北斗駅から七飯町の道の駅に抜ける(多分)農道に設置されてるもの。周りは田んぼで、行き交う車もいなくて、のんびりガタゴト走ってたら当然出てきます。そっかぁー、ここから七飯町なんだねー。
この時は七飯町の道の駅「なないろななえ」と、その隣の「男爵ラウンジ」に行く途中でした。七飯町のハコモノは町役場を始めとして、となりの歴史館も文化センターもレンガ作りでオシャレに統一されています。新しくできた道の駅と男爵ラウンジは、黒い外観がお揃いです。広い広い駐車場を共用していて、つい行きたくなるほど素敵です。
個人的には「道の駅は道南のお土産を買いに行くところ」で「男爵ラウンジは美味しいものを探しにいくところ」という分け方をしています。
以前北斗市の上磯地区に「男爵資料館」がありました。川田男爵というジャガイモ関係に業績があった方の資料をそのままこっちに運んだのでしょうか。高い高い吹き抜けの壁一面に、じゃがいも栽培に使用していた器具やら道具やらが飾られています。残念なのは、おしゃれすぎてそれぞれの資料に説明がほとんどついていない事です。これは何に使ったんだろうというおもしろい資料がいろいろあるんです。
吹き抜けのたかい天井から、紙製の飾りがぶら下げられています。近寄ると何か書いてある紙のコピーです。その下には川田男爵の使っていた金庫が置かれています。川田男爵は土佐生まれ、英国グラスゴー大学出身。帰国後いろいろあったあと横浜ドック会社の社長、のち函館ドック会社専務取締役として来道した人で、馬鈴薯の品種「男爵イモ」はこの川田男爵から名をとったというのは有名です。
ここに設置されている金庫の台座には実は「ラブレターを大切に保管していた金庫」とか書かれています。川田龍吉くんが岩崎弥太郎(ビッグネームだ)の命を受けて、英国スコットランドのグラスゴー大学へ通って研究していた7年間に、彼は英国女性と恋仲になりまして、その思い出の89通のラブレターと一房の金髪を金庫に入れてありました。
川田男爵は生前には彼女のことは誰にも言ってなかったそうで、まさか死後にラブレターのコピーが天井から吊り下げられる羽目になろうとは、思ってもみなかったに違いありません。お相手のジェニーさんだって、自分の私信が人目に晒されていると知ったら、髪の毛が逆立つほどのショックでしょうね。「ぎょえぇぇぇー!」と叫んだかもしれません。何せ悲恋に終わっているんですから、お互いその後は違う人生を歩んでいるわけですし。「あれはね、あれは若気の至りというやつでっ」とか言ったりして。
このへんには史跡もあっていろいろ面白いんですよ。とりあえず今回はとなりの道の駅「なないろななえ」で縄文ソフトを食べて帰りましょ。次回はガラナソフトか、りんごジュース3種のみ比べか迷うところです。
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コメント
こんばんは、らんどくさん。頭の表面を地図や住所で表せないという発想、目から鱗でした。そして旦那様への愛を感じます(^-^; 男爵イモの逸話も初めて知りました。死後にまさかのラブレターの公開…なんと言ったらよいのか、有名人はいろいろと大変ですね(;’∀’) 縄文ソフトはコーンが土器なんですね。かわいい!お味はいかがでしたか?
ナツメグさん、こんにちは!
縄文ソフトかわいいでしょ。味はね、実は味は「ふつう」でした。だっていつものやつを、縄文コーンに変えただけですもん。ここの道の駅は「お土産を買うところ」で、食べ物の美味しさはお勧めできない感じです。