素直に無知を認めましょう。「はんぷ」の件

ことばとれきし
プルーンの切り株の周りにブルーベルの若芽が。春です。

とある施設のとある場所に、いろいろチラシやらパンフレットやらを置いてある棚がありまして、通りがかるたびに眺めたりしてたんです。この間、ふと見るとそこに雑誌が100冊ほど横積みになっていました。本の地部(下というか底)をこちらに向けてるので、ちょっと見には本だとはわかりません。靴箱みたいな区切りのある棚に、他の沢山のチラシとおんなじように積んでありました。

はい、活字中毒者はふらふらと引き寄せられましたよ。かなり何冊もあるそれは小学館の人気雑誌『サライ』でした。あの「ラクダのロゴ」が印象的な大人の雑誌です。らんどくも年に何度かは付録欲しさに購入することがあります。

こんなロゴです。

なんでここにこれが?「待ち時間にお読み下さい」かな?でも、この部屋は待ち時間を持て余すような場所じゃありません。おまけに「ご自由にお持ちください。サライです」とご丁寧に書いてあります。小さく。ええーっ!!これ貰っていいんですかー?ホントですかー、貰っちゃいますょぉ・・(だんだん声が小さくなる)

そうして何冊が選んで、ホクホクと家に戻りました。すんちゃんに事の次第を説明するらんどくは、きっとにこにこ顔だったと思います。すんちゃんが「そんなに好きなの?サライ」と聞くので「本も好きだけどね、付録がいいんだよね、本好き・研究好きの人の心をくすぐる感じで」ちょうど図書館の本を入れるのに良い大きさのトートバッグとか、生成りの厚手の生地で出来たポシェット(スマホとお財布を入れて斜めかけにできる)とか。

ホヌノで出来てるのがまたいいんだよね、と語っていると「ホヌノがねえ」と言いながらすんちゃんがスマホを操作して、ニッコリ笑って画面を見せてくれました。「帆布って、ホヌノじゃなくてハンプって読むみたいよ」 きゃー!!

60年目にして知るこの事実。きっと今までにどこか人前で「ホヌノ」と読んだりしてたでしょうね。「帆」の「布」だもの、ホヌノと読んで何故悪いと、開き直りたくなるほど恥ずかしい。どうして誰も教えてくれなかったんだろ。(これ完全に責任転嫁ですね。)らんどくがあまりに堂々と「ホヌノ」と言うので、そういう読み方もあるかもと思った方がいるのかも。スミマセン、帆布はハンプでした。

他の人が「これ間違ってるんじゃないかな」という読みをしてたら、どうしますか?教えてあげる?聞かなかった振りしますか?自分の場合を思い返せば、家族とか仲の良い人とか「教えても角の立たない人」には言ってみるかなあ。あと年下の人とか。でも殆どの場合はあえて触れないですね。もしかしたら「これ違うんじゃ?」と思った自分が間違ってるかも知れないし。マナー本に頼ってみます?

コミックエッセイ仕立てのこの本、けっこう面白いんですよ。いろんな場面別になっていて、「いつもの暮らしの中の、スマートなおつきあい」の章は「好印象を与える」「誘う」「お願いする」「ことわる」「注文をつける」「許す」なんかに分かれています。近所付き合いってこんな事になってるんだっけと、少々びっくりしたり。「日常のあいさつ」の中に「急いでいて、顔見知りの人を追い抜くとき」という項があります。正解は「ガミ田さん、こんにちは。急いでいるので、お先に失礼いたします」普通だわー、ワタシもこれやってるわー、と変に安心できます。間違ったらどうしよとドキドキします。

でも、間違うのは悪い事ばかりじゃないですもんね。知らなかった、間違っていた、そういう経験をして覚えたものは、なかなか忘れません。「束縛」という難しい言葉を覚えたのは小学校5年生の時でした。クラスのイトウ君の事を好きな女子(KさんとYさん)が教室で大喧嘩して、普段はそんな場面に居合わせることもないノンポリらんどくですが、何故か横で観戦する羽目になりました。

ちょっとヤンチャタイプのKさんが「あんた、イトウ君に手を出さないでくれる?」。それを受けてお嬢様タイプのYさんが「あたし束縛されたくないんだよね」

隣にいたかっちゃんが「ソクバクって何?」とぼそぼそ。知らない知らないと首を振りながら、らんどくは国語辞典を捲りました。「束縛」「動き・働きの自由に制限を加えること」かっちゃんと辞典をのぞきこんで、ふむふむと納得したあの日、らんどくは確実にひとつ賢くなったのでした。

成長するのに大事なことは「間違いを認めて、受け入れること」でしょうか。自分が出来てないと認めることって、結構かっこいいかなと思います。と、いうところでもう一つ「無知ネタ」を。

これもつい一昨日のことでございます。先週の会計監査を受けての理事会がありまして、総会資料の確認とかしたわけです。司会の事務局長さんが読み上げて、皆は資料を見ながらうなづいたり書き込んだり。そのうちに事務局長さんの「読み」と、私の「ヒヤリング」との間に齟齬(そご)があるというか、「ん?」と思う部分が多々ありました。

私だって「頒布する」という言葉は知っていましたよ。「資料をハンプ」するという文も聞いたことがあります。でもこの二つが同じものだとは思ってなかったんです、まったく。つまり「頒布する」は「リョウフする」と読むし、「資料をハンプする」は「資料を販布する」と書くと誤解してたんです。

事務局長さんの読み上げを聞いている間に「もしかしたら、ワタシものすごい間違いしてたんじゃあ」と思い至って、スマホで検索して愕然とし、しかもそれをおくびにも出さないで理事会を終えた私は、けっこう偉いですよね?

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コメント

  1. すとらと より:

    こんばんは。覚え間違い、たくさんありますよね~(^^)/ 私は知識系の間違いを指摘してもらうのが好きなので(只で教えてもらうお得感)、他人に対しても「あれ、それって○○じゃない?」と言っちゃうことが多かったんですけど、もっと考えるべきだったかな、と反省です。自分だって知識系以外のこと(しでかしたこととか性格とか)を指摘されると恥ずかしくなりますから。想像力足りてなかった…(-_-;)
    それにしても『イトウ君』、そんな形でらんどくさんに覚えてもらっているなんて想像もしていないでしょうね。いよっ、モテ男くん!今頃このブログ読んでいるかもしれませんね(^-^)

  2. コスモス より:

    あるよぉー。あるある。還暦も過ぎたのに恥ずかしすぎるということが…。みんな言わないだけでいっぱいあるに違いない。