昨夜、眠気に負けていつもより早く床についたおかげで、今日はまあまあ元気です。
ご飯を食べながら寝ちゃいそう、食卓におでこぶつけそう。まるで徹夜の航海をしたあとにやっと自宅に戻った船乗りのよう。って、わからないたとえですよね。
私の宝物のひとつが岩波書店のアーサー・ランサム全集で、『海へ出るつもりはなかった』はその7巻目です。この題名、かっこいいでしょう?児童書とは思えません。(これに匹敵するのは「きみは知らないほうがいい」くらいかなあ、内容はぜんぜん違うけど)
中学校に入って図書館で1巻目から読み始まる前から、気になってたまらなかった。海へ出るつもりはなくても出ちゃったってこと?いったいどんなおはなしなんだろう。
高校に合格したお祝いに、12巻セットで買ってもらったランサム・サーガ。久しぶりにめくってみると、一冊ずつに本が届いた日と私の名前が丁寧に書いてありました。濃い藍色のインクは、これも入学祝いにいただいた万年筆です。
「ツバメ号とアマゾン号」は1929年発行で、イギリス北部湖沼地方に毎年避暑にやってくるウォーカー家の4人兄弟姉妹が中心のシリーズです。湖沼地方といえばビアトリス・ポターの『ピーターラビット』シリーズの舞台となった場所でもあります。子供たちは帆を張ったボートで湖に繰り出して、いろいろドキドキする経験をするわけです。(12巻もの内容を要約すると「いろいろ」としか書けないよねえ)
7巻目の『海へ出るつもりじゃなかった』ではひょんなことからイギリスからオランダまで、子供たち4人でヨットを操って航海するはめになります。航海というよりは、嵐で流され、そのあとはひたすらまっすぐ走らせたらオランダに着いてしまったという感じ。そう、海へ出るつもりはこれっぽっちもなかったんです、だってお母さんと「湾の中だけ」と約束したから。
この中で、徹夜で航海した船乗りが、陸に上がって食事にありついて、待っている間に眠ってしまうという場面が2度でてきます。一度目にそんな船乗りをあこがれの目で見ていた長男ジョンが、オランダまで必死で船を走らせたあとに、彼自身もスープが来る前にねむりこけてしまいます。印象的なエピソードです。
このシリーズが好きすぎて、舞台になったイギリス・湖沼地方の宿屋まで行ってしまったのは私です。
そして同じ宿に泊まっていたイギリス人さんが、アーサー・ランサム・ファンクラブの方で、楽しいお話を聞かせてもらいましたが、それはまた、次の機会に。
好きなものの話はいくらでもしちゃうので、自重しなくては、大変なことになります。司書をしていて、けっこう辛かったのがそれで、立場を忘れて「それっ、ものすんごく面白かったです」「こっちはハッキリ言って、時間の無駄」とか口がすべりそうになってました。あぶないあぶない。
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