(季節はずれのアサガオが、バジルの鉢から出ていました)
師走になっても私は走りませんよー、弟子はいませんからね。だけどせっかく還暦を迎えたんだから、ダジャレ道の弟子か、変な工作道の弟子の1人くらい居ても良かろう。ふぉっふぉっふぉっ。
なんて寝ぼけたことを書いていたら「師走」の「師」は、先生やお師匠さんていう意味じゃないそうです。僧侶のことだと説明してあるものが多数あり、その中に「僧侶とは師僧の事」というものもあって、さらに「師僧とは僧侶の師である」とか書いてあって、何が何やらです。
我が家には「新明解国語辞典」の四版と五版がありますが、どちらの説明も「陰暦十二月の雅称」と簡単なものです。こういう時には語源辞典にあたりたいところですが、書籍化したものを持っていません。残念。
とりあえず「12月になったらやらなきゃならない事」を順番に片づけていきましょう。手始めにクリスマスツリーを出しました。中二階の納戸から引っ張り出すのがすんちゃん、組み立てて飾るのがらんどくです。
けっこう大きくて重くて、毎年出したり飾ったりがひと苦労です。ようやく組み立てて、ふと足元というか、ツリーの根元を見ると、バジルの鉢植えからひょろひょろとしたアサガオが伸びていて、小さな花を咲かせていました。おやまあ。あんた、今は12月だよ。
さて辞典・事典の話に戻ります。
カタログ好きというか、いろいろちょっとずつ違ったものを、並べたり見比べたりするのが好きなんです。図鑑は飽きずにながめていられるし、絵はがき・ポスター・クリスマスカード、どれもどっさり持っています。「考古学者ってのは収集癖のある連中が多い」(浦沢直樹 『マスターキートン』1巻目CHAPTER1「迷宮の男」より)そうですが、元図書館員だって負けていません。まして古本屋さんになりたかった司書ですからね。持ち物の多さといったらもう。(残念なのは金銭的価値がないものばかりということ)
辞典も事典も、ちょっと変わった切り口のものに惹かれるので、国語辞典は今は三省堂の「新明解国語辞典」(新解さんです♡)と「広辞苑」だけ。あとは「日本語使いさばき辞典」(改定増補版 あすとろ出版)だとか、「数え方の辞典」(小学館)、「日本語逆引き辞典」(大修館書店)、「類語新辞典(」角川)なんかが本棚に並んでいます。使いこなしてはいません。これ面白い、と思ったものを持っているのがうれしいので、ときどきパラパラ捲ってはそっと閉じているだけです。
その中でも、あすとろ出版の「日本語使いさばき辞典」は、2006年10月初版、2009年8月第4刷と辞典としては新しいものです。キーワードを「単語・言葉」ではなく、具体的な意味や内容から引けるのが新鮮です。つまり「こんなときは何ていう?」から調べていって、単語へたどり着くんです。
たとえば今日のように風が強い日に、台風みたいだなあ、でもどのくらい吹いたら「台風みたい」って表現していいのかなあと考えたとします。「ヘクトパスカル」とかそういう「数値」が絡まない感覚の部分で知りたいとしたら、素直にその気持ちをぶつけましょう。
分類キーワードから「自然・自然物・自然現象」を選んで、小見出し「天文・気象」→「風」→「吹く勢い・様態・性状からみた風」まで進んだら、知りたい風の状態について探します。
吹く勢い・様態・性状・からみた「風」
➧激しく吹く・・疾風(しっぷう)・疾風(はやて)・早手・疾風(はやち)・陣風
➧強く吹く・・強風・勁風(けいふう)
➧非常に強く吹く・・烈風・猛風・狂風・大風
➧建物などに被害を及ぼすような激しく強く吹く・・暴風・悪風・暴風雨・嵐・台風・颱風・野分・颶風・あからしま風・あかしま風・暴風(あらしまかぜ)・ハリケーン
日本語使いさばき辞典
「強い風」だけでこんなにあるんですね。びっくりだ。今日の風は、とても強いけれど建物に被害を及ぼすほどではないから、烈風とか猛風とかそういう事ね。うんうん、わかりやすい、そしておもしろい。まだまだ風の様子は沢山あって、凄まじい(凄風)とか激しく吹きまくる(風巻)突然強く吹く(突風・天狗風)とか・・・だめだ止められない。ずっと読んでいられそうです。
意味が近いものをまとめてあるので、擬音語・擬態語も楽しい事になってます。小見出しというか、様子や状態の説明が細かいのですよ。「音・響き」の擬音語・擬態語はこんな感じ。
➧ 金属製の物が落ちる。また、互いに触れ合う・・がちゃん・かーん・がちゃがちゃ・かんかん
➧ 固い物が激しく一度固い物のぶつかる・・がーん・ばん・ばーん
➧油が切れたなどの原因で滑らかに動かないで回る物の・・きりり・ぎりり・ぎりぎり
日本語使いさばき辞典
それぞれの辞書・辞典をつくる出版社の方、編集に携わる方々のこだわりが感じられます、辞書に関する本といえば、2016年に本屋大賞を受賞した、三浦しをんさんの「舟を編む」を思い出しますね。あと、敬愛する赤瀬川原平さんの「新解さんの謎」も。主婦にお正月休みがあるのなら、また読み返したいものです。(毎日がお休みでしょ、との声が身内からあり)
このツリーが我家に来てから、もう20年は経ちました。飾り物もほとんど増えていません。陶器のサンタクロース三人組に「やあ久しぶり」と挨拶をして、背伸びしててっぺんに金色のリボンを取り付けて、そして1年って早いなあとしみじみ思うのも毎年のことです。
ツリーのあとは、年賀状。平行してお歳暮と大掃除だ。どこかに大掃除専用のお師匠さん、いないかなあ。
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コメント
季節外れの朝顔~!!夏大好きの私には女神に見えます!種はいったいいつからそこに?もしかして今年の夏に咲いた朝顔の種が、もう次の世代を咲かせたのでしょうか?
らんどくさんはいろいろなものを集めるのが好きなんですね。キートンも集めていましたね、大学のセロテープまで(笑)。私も一種の収集癖があります。子供の頃から場所を取らないものを集めるのが好きで、今では主にPCとUSBの中が倉庫になってます(*^^)v
『新解さん謎』という本初めて知りました。赤瀬川原平薯ですね。面白そう。今度読んでみようっと。辞書ってたくさんの世界が詰まっていて、ドキドキしますよね。
私は最近伊予原新氏の短編集『月まで3キロ』と『八月の銀の雪』を読みました。お話の一つ一つが博物館の陳列棚みたいで、また家族が次の本を借りてくるのをわくわくしながら待ってるところです(自分で借りにいけよという声が…)こういう理科系の話もロマン。本っていいですね!
すとらとさん、こんにちは。
あっという間に12月になっちゃいましたね。
赤瀬川原平さんは、私の心の師の一人です。勝手に「げんぺいちゃん」と呼んでおりました。「老人力」をいう言葉を流行らせたのも彼です。機会があれば赤瀬川さんと路上観察学会の活動本を読んでみてください。キーワードは「トマソン」です。