猛暑に負けない要介護1。シエばあちゃんはお昼寝が大好き。

「老い」に向き合う
あぐりへい屋で今年もトマトソフト。酸味がさわやかです

シエばあちゃんちは暑い!とっても暑い!このところの曇天続きで、例年よりは涼しいはずなのに、何でこんなに暑いんでしょ。

南向きの掃き出し窓が日光を受け止めるから?うんうん、もちろんそれもあるんだけど、何よりもシエばあちゃんが「涼しくしたいと思ってない」から暑いんでしょうね。掃き出し窓には、両側に外開きの風通し窓がついてるし、実はエアコンだってあるから本当は涼しい家なんですよ。でもどちらもサッパリ稼動してないんですもん。

毎日、夕方にオカズやその日の薬を持ってばあちゃんちに行きます。こんにちはーと入っていくと、モワーと澱んだ温い空気がお出迎え。「え、まさかストーブ点いてるの?」とあまりの暑さに聴いてしまうのもいつもの事です。

その時刻のばあちゃんは、ソファでぐっすり寝てるか、オヤツを食べてるか、ひじ掛けイスに斜めに座って(説明しずらいけど、非常に自堕落)ボーっとテレビの方を見ています。そこへドタバタとらんどく乱入で、ハッと我に返ります。自分では暑さを感じなくても、私が「暑いねー」と言うと窓を開けます。

一人暮らしの高齢者が、みんなこんな生活ではないでしょう。それでも特に予定も無く欲も無ければ、ボーっとしてしまうのは当たりまえかもしれません。要介護1の認知症患者としては、シエばあちゃんは中々頑張っています。自力で洗濯出来るし、忘れなければカセンを散歩に連れて行くし、気が向けばコンビニでオヤツやオカズを買えます。ケアマネさんには「何でも自分で出来てるっ」とばあちゃんは威張っているようです。

ばあちゃんご用達の温泉には、こんな立派な「風見鶏」

良い場面ばかりを見ていると、なんだかずっとこのままで、何事もなく暮らせるような気がしますけどねー。でも指折り数えると「これは出来る!」の数より「ちょっと怪しい」「これはもう無理っ」のほうがだんだん増えてきているんですもん。ポツリポツリと抜け落ちるように、何かが出来なくなっていくのがわかります。

先日は月に一度の、シエばあちゃんの通院日でした。ここの病院では認知症のお薬と、シエばあちゃんの大事な睡眠導入剤を処方してもらってます。もう何度も通っていて、手順もわかっているはずでした。入口の所にコロナ対策の問診受付があって、熱を測ったり名前を言ったりするんだけど、「今日はどうされますか?」という質問に(いつもは診察とか薬を貰うとか答えます)シエばあちゃんは何にも答えられませんでした。黙って、頼りになる嫁(わざわざ書きますが、らんどくの事です)のほうをみました。困ってるようにも見えるけど、自分が何を困っているのかがわかんないって感じでした。

そのあと待合室で私の隣にきて、小さな声でこう言いました。「このあとお医者さんが”どんな具合ですか?”って聞いたら、何て言えばいいの?」

病院前では掘ったばかりの大根が50円!!

来たー!って感じでした。今までできたことができなくなった瞬間です。ポーンとひとつ階段を上っちゃった感じ。

家族や周りの人たちや、病院の先生がいくら親身になってお世話をしたとしても、認知症は止まることがないんですね。薬で進行を遅らせるだけ。これは無力感というか無常感というか、切ないものがあります。

ところで今年のヨーロッパは猛暑だそうです。暑すぎて欧州各地で山火事が発生!と夜のニュースでやっていました。そういえば何年か前の猛暑時期には、フランスで沢山の高齢者が熱中症で亡くなりました。年代物のおしゃれなアパルトマンにはエアコンがついてなくて、高齢者は暑さをあまり感じないので脱水症状になるんだそうです。

とろあえずウチの高齢者一人と一匹、シエばあちゃんとカセンにも水分はたくさん摂ってもらわないと。カセンは毛皮着てるし、ばあちゃんは閉め切った部屋でくうくう寝てるし。こんな扇風機をソファ横のテーブルにそっと置いたら、使ってくれるかもしれないなあ。

まだ7月ですからね、夏はまだまだこれからが本番。なんとか無事に乗り切っていきたいもんです。がんばれ、シエばあちゃん。そしてがんばれ、暑さにすぐ負けるらんどく。皆様もご自愛ください。

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コメント

  1. ナツメグ より:

    いつもお疲れ様です。らんどくさんもお身体に気お付けてくださいね。