どこまで正確に表現する?

あれこれ

玄関のドアの横にちいさなちいさな虫がいました。私の人差し指が巨大にみえるほどちいさい虫さんです。たぶん2~3ミリの大きさしかないでしょう。写真を拡大してみるとなんとテントウムシのように見えます。小さーい。可愛いー💛

拡大しすぎてぼやけているけど、星がいくつかあるように見えますね。この場所は前にカマキリさんも寛いでいた場所です。ちょうど南向きなので、温かいのかもしれません。

実はこのすぐそばには、野生に戻ったルッコラとか鉢植えのワサビ菜があって、モンシロチョウ関係のアオムシがうようよいるのです。そうして沢山のアオムシさんたちが、サナギになるときは揃いもそろってこの壁を登ります。

白い壁にくっきりと緑のアオムシ。もしかしたら郵便局や宅配のお兄さんたちで、怖い思いをしている人もいるかもしれませんね。イモムシ系は嫌いな人は身震いがするほど嫌いらしいですから。そういう方には「足元のヘンルーダの鉢に、それはもう立派なナミアゲハの幼虫がいますよー」とは口がさけても言えませんねえ。本当は誰にでも自慢したいんですが、虫ハラスメントになっては大変です。

ところで週末に朝ご飯をたべながら、NHKのEテレのアニメを流していたんですが、いっしょにいたすんちゃんが「これは違うな。こんな風にはならないよ」と言い出しました。私はばりばりの教育テレビ派で、毎朝の「おかあさんといっしょ」あたりから「ピタゴラスイッチ」までほとんど見逃しません。(もちろん「いないないばあ」のワンワンもバクバクさんも大好き)

土曜日は特にお気に入りの「ムジカ・ピッコリーノ」を毎週楽しみにしているんです。おさるのアニメはそのあとに放映されます。原作の絵本を子供のころから好きだったのと、岩崎良美さんの歌う主題歌が楽しみでなんとなく見ています。なんでもできるかわいいおさるが、困った事態に陥ってはなんとか知恵をしぼって乗りきります。

今回は風力発電の風車のおはなし。風車の部品を取り換えようと、おさるが工具とねじを持って高いところまで登ります。風車のてっぺんで部品を付け替えようとして、ねじを取り落としてしまいます。ねじはころころころと転がって、風車から落ちそうです。それをおさるが足の指で器用に拾います。ぱちぱちぱち。

その場面ですんちゃんの「ダメ出し」がありました。へ?何が、と私は思いましたね。

これはフィクションだからね、おさるが人間並みにいろんなことをするけど、そこにこだわると先に進まないよ。私はそんな風に思ったんですが、理論派理系(理論派じゃない理系はいないと思うけども)のすんちゃんが引っかかったのはそこじゃありませんでした。

彼は自分の工具箱から、少し大きいねじをもってきました。テーブルの上にあった雑誌で、ゆるめの傾斜を作りました。「ほらね、あんな風に転がることはないんだ」

あ、そうか。ねじは大きな頭がついているから、下には転がらないで、重い頭のほうにグィーンと曲がるんです。うまく写真で表現できたでしょうか。少しでもこういう事にかかわっている人なら、きっと皆がわかっていることでしょうね。そのうちどのくらいの人がこの場面で「ねじの転がり方がおかしい」と、子供に実演したのでしょう。

これが
ねじの頭がグィーンと回って
ここで止まる。坂が急だともう一度反対側に振れます。

演出と実際のものの間に、どのくらいの距離を置いてもいいのでしょう。特にアニメなどフィクションの色合いが強いものは、細かいことにこだわってもいられません。それでも主人公の能力以外にはある程度のリアリティが欲しいと思います。『空想科学読本』が支持されているのはそのへんもあるのでしょう。

映像上の演出だとわかっても、釈然としない事例をひとつ。函館を舞台にした映画はたくさんあります。街並みがちょっと寂れたところが、いい味を出すのでしょう。そんな映画のひとつの完成試写会に行ったことがあります。駅前から元町にかけて映されていて、エキストラで函館の人たちが沢山でているというので,上映会は大入満員でした。

お登紀さんの歌う挿入歌も映画の雰囲気にぴったりで、まあまあいいかなあと思っていたころ、主人公が女性を追って、街を探し回る場面になりました。駅前近くの自分の店から走り出し、次のカットになったとたん、映画館中に笑い声が響きました。私も噴き出しました。

主人公が走っている場所が、はじめの場面からあまりにも遠かったからです。いくらなんでも離れすぎ。あちこちでそう呟いているのが聞こえました。たしかに「良い背景」なんですけどね、高倉健さん、どれだけ健脚なんだって感じです。もちろん函館以外では、そんな変な笑いは起きなかったようです。

演出でも必要なフィクションでもない事例もひとつ。かなり昔の子供向け民放ドラマで、女の子がコウモリに向かって「きゃー気持ち悪い。わたし爬虫類とか苦手なのよね」というようなセリフを言っていたことがあります。爬虫類じゃないだろう!!コウモリは哺乳類!!と大人気なく指差してつっこみを入れたのは、もちろんらんどくです。これはいけません、明らかな間違いです。その女の子が「おバカ」だという設定なのかもしれませんが、善良な小学生が間違った知識を植え付けられます。

ただでさえ子供は勘違いが多いんですから。私は「ポルトガルの名産品はコルクガシ」と教科書に書いてあったのを「どんな味なんだろう、コルク菓子♡」と何年も思っていました。コルクを作るための樫の木、コルク樫だと知ったときは落ち込みました。

コメント

  1. すとらと より:

    釈然としない映像上の演出!ありますよね。すごいものになると千歳空港降りてすぐ、札幌大通りに続いていたりとか(^^♪ 
    リアリティといえば、ついさっきジェイムズ・P・ホーガン著の『星を継ぐもの』を読み終えたところなのですが、ラストでちょっともやもやしてしまいました。お話自体はとても面白かったんですけど、こういうSFってあまり読んだことがないので、どこまでリアリティを追求しているのかわからなくて。らんどくさんがもしもう読まれていたら、御意見伺いたいところなのですが、ネタバレになるのでコメント欄には書けませんね(-_-)
    ところで、美味しいあんみつは出来上がりましたか?

  2. すとらとさん、実はとってもとっても美味しいあんみつができたんです。盛り付けも美しくて、まるでカフェで出されるものみたいでした。やったー、おいしそー、さあみんなで食べよう!!
    気が付いた時には、すべておなかの中でした。写真とりそこねました。
    求肥も上手にできたけど、レンチン求肥は簡単すぎて、いばれません。今まで作ったスィーツの中でいちばん簡単でした。①粉と砂糖と水を混ぜる②レンジでチンしてかき混ぜる。二度繰り返す。③片栗粉の上でのばして冷ます。

    ところで「星を継ぐもの」を読んだのは、これが新刊ででた40年ほど前です。SFサークルの読書会で、全員が星5つ、100点満点をつけるほど面白かったのは覚えているんですが、細かいところは残念ながら覚えていません。もういちど読み返したい本です。

  3. みぷよ より:

    あの映画を笑ったものの一人です✌️
    ネジの一件もしかり、知るものは皆細かいところが見えてしますものですよね。
    大河ドラマを見ていても、星の並びが違うという声があったとも聞きます(私は見ていなかった)が、ドラマや漫画の中の月の形や方角と時間帯が合わない!とは口にしないようにしています。
    ネジ、正しい形で落ちるの見たかったけどね。

  4. みぷよさん、お久しぶりです。高速バスの中で、スマホアプリを使って書いているせいか、いつもと違う返信の仕方です。自分のページなのに、自分のメアドを要求されてます(^_^;)

    フィクションと演出の兼ね合い。きっとこういうのは、あまりこだわらないほうがいいんですよね。それこそ笑って流す大人の対応とか。でも心の中で(あれはホントは違う)とぶちぶち言い続ける自分がおります。めでたく還暦を迎え、子どもに戻っているのでしょうか。

  5. ちゃしさん より:

    シロホシテントウでググってみて。

  6. ぐぐりました!

    でてきました!! この大きさで成虫なんですね。
    ありがとうございます。