(静かに降り積る雪が花のように見えます)
私のバッグにはいつも必ず、本が1冊入ってます。都市間高速バスで実家に帰る時には、それが3冊程に増えます。たとえ車酔いで1ページも読めないとしても、本の重さで肩が痛くなろうともがんばります。
なぜ3冊も?自分でも変かなと思います。でも、自宅を出てから札幌の実家に到着するまで、乗り継ぎを含めると実に7時間もかかります。もし1冊しか本が無くって、しかもそれが面白くなかったらどうします?そんな悲劇はありません。
家庭にいつも常備薬が備えてあるように、私のカバンにはいつも本。これを心の中でらんどく常備本と呼んでいます。(実は本屋さんでは出版社から本を一定期間預かって販売する仕組みがあって、常備寄託本(常備本)と呼ぶそうです。それとはちょっと違いますね。)
さて今回の帰省では、たくさんの予定が入っていたので荷物も多く、しょうがないのでらんどく常備本を1冊だけにしました。なので選書にも力が入りましたよ。まず第一に文章が上手い人のエッセイ集であること。そしてなるほどなぁと納得させられるウンチクというか、専門家の知識が詰まっているもの。
これは昨年末に買って、読むのを楽しみにしていた本です。作家であり古書店主の出久根達郎さんの新刊で「本の魅力について軽妙かつ濃厚に綴る」(文庫本裏表紙より)75篇がおさめられています。これ、本の解説本じゃないんです。書物と自分とのあれこれを出久根さんの文章力で書くとこうなる、という物です。良い本、選んだぞ。
今日は実家の荷物を売りに出かけました。でも、カシミアのコートが10円って、あんまりですよね。売るのを止めて本を買うことに方向転換。弟のハロも本が好きで、最近あちこちの古本屋を巡っているそうです。面白い店があったよと「猫がいる古本屋」と「本の山が崩れていて、足の踏み場もない古本屋」に連れて行ってくれました。
猫がいる古本屋さんは北大前の北十二条書店さん。二匹の兄妹猫がのんびりしているのを見られます。静かに流れているBGMも心地よくて、非常にあずましい本屋さんでした。
続いて「本の山が崩れている」古本屋さんに移動。細い路地に浪漫堂の看板が。一歩足を踏み入れると、って「踏み入れられません!」すごいわー、ここ。
この本の雪崩具合は、自然にできるもんじゃありません。店主さんが何かを狙っているんでしょう。だって小路幸也さんの東京バンドワゴンシリーズが、棚の上のほうの右側とずっと下の左側、そして足元の山の中腹に散らばってるんですからワザととしか思えません。つい書棚を片付けたくなる司書体質のらんどくは、指がムズムズしました。
この浪漫堂の写真撮影の許可を取ったら、赤い毛糸帽の店主さんが「きれいな所を撮ってね」と申します。おもわず、この混沌がいいんですよ!と力説しちゃいました。宝探し感、半端ないです。
こんなにごちゃごちゃで、大丈夫なのかなと心配になりますよね。ハロ君が前回来て、眉村卓と光瀬龍を探していると伝えると、サッと棚から出してくれたそうです。裏からも何冊か「こんなのもあります」と持ってきてくれたそう。責任者(店主さん)が自分の店を把握してるんなら、本が雪崩てようが問題ないですね。
ハロ君ありがとう。お昼は豚丼を食べました。忙しい中でも、こういう日があると元気でますねー。またいろんな古本屋さんを巡ってみたいにゃん。
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コメント
こんにちは。古本屋さん面白いですよね。Book offなんかは読みたかった本をあわよくば110円で入手できるありがたさがありますが、個人経営者が小さな店内にぎっしりと古本を詰め込んでいるお店もいいですね。マニアックな掘り出し物が見つかったりして。古本の魅力って値段が安いとか普通の本屋さんではもう手に入らない本があるかもという他に、『この本の前のオーナーさんがどんな状況で何を感じて読んでいたか』を妄想できるところにもあるんじゃないかなと思っています。
すとらとさん、こんにちは。毎日寒いですね。
古本屋さん、大好きなんです。いつだったか本に関係する人たちが集まって勉強会をやっていたことがありまして、講師の先生が「実家が古本屋でね」と言ったとたん「カッコよく」見えてしまったのでした(笑)
今はチェーン店以外の古本屋さんをさがすのが難しいですが、札幌はまだまだみなさんが頑張っていますよね。うらやましいです。