(古くてもまだまだ現役の薪ストーブ。毎年すんちゃんが改造するので原型を留めていませんが)
演歌にも、歌謡曲にも、雪の歌は数えきれないほどあります。もちろん子供向けのにも。
流行りの歌と違うのは、子供の歌のほうは題名がよくわからない事です。歌えるんだけど、何ていう歌なんだろうね、そんな感じです。
あまりメジャーじゃないけど、昔から知っていて、時々そっと歌ってみる歌がいくつかあります。たぶん「NHKみんなのうた」なんかで覚えたんでしょう。「♪こんこんこんこん ふれふれ雪 ずんずんずんずん 積もれよ雪 」というものと、「♩ふれふれ雪よ降り積もれ 僕らにゃ雪は友達だ」というもの。どちらも子どもたちの合唱で歌われているキレイな曲でした。
夕べは、風もなくてそんなに寒くもなくて、でもふわふわの雪が絶え間なく降り続いていたんです。カセンとばあちゃんの様子を見に、雪の中を漕いで行くとき、この「ふれふれ雪よ降り積もれ」を歌っていました。
この歌はこんなふうに続きます。
ふれふれ雪よ 降り積もれ
ぼくらにゃ雪はともだちだ
さあ、みんな 森のむこうまで
いそごうそりを走らせて
いそごう 雪を蹴散らせて
さあ シーハイル 声も高らかに
ノルウェー民謡(原曲不明)
小林純一作詞 「雪と子ども」
問題は、この歌の終わりのほう、「さあ、シーハイル」です。さあ、ですから何かを誘っているわけで、「声も高らかに」とあるからには「シーハイル」は掛け声の一種だとみるべきでしょう。そこまでは、まあそうだろうな、と思っていました。
らんどくのどこかにある「トコトン調べるぞスイッチ」が押されなかったせいで、今までは歌ってるだけで満足でした。でも「シーハイルってなんだろな」といつも感じていたんです。(それなら早く調べたら?って話ですよね)
ここでの大きな勘違いは「シーハイル」の「シー」を『海だろう』と思ってしまったことです。seaなんだろうな、きっと船乗りたちの挨拶だろうな、「アホイ!」みたいに。そんな勘違いで、私の中で「シーハイル」は意味はわからないけどカッコいい船乗り言葉、として認識されていました。
子どもの頃は分からない言葉でも、大きくなるにつれて知らず知らず、意味を掴めるようになりますね。
例えば『昇龍拳(ショーリューケン)』は「昇る」「龍の」「拳」です。『レッドスネークカモン』は「レッドな」「スネークさん」「いらっしゃい」という事ですね。
ところが『シーハイル』は、手がかりがない。シーハ・イルなのか、シー・ハイルなのか、もしくはシーハイ・ルなのか。
似たようなものに「シュピーゲル」があります。子どものころに見ていた『キャプテンウルトラ』に出てきた宇宙船の名前です。
調べるとキャプテンウルトラは1967年の4月から9月までの放映だったようです。らんどくが5歳のときです。5歳の子どもにとって、このキャプテンウルトラの主題歌は、胸が震えるほどカッコいいものでした。静かに始まる「月も火星も遥かに越えてぇぇ♫」。今、思い返しても、まだ震えます。じぃーん。
月も火星も遥かに越えて
宇宙へ飛びだすシュピーゲル
シュピーゲル シュピーゲル シュピーゲル
スリー・ツー・ワン・ゼロ
そら行け キャプテンウルトラ
作詞:長田紀生、作曲:冨田勲
作曲はなんと、冨田勲だったんですね。そりゃ震えるわけだ。
「シーハイル」は「スキー万歳」、「シュピーゲル」は「鏡」という意味だそうで、どちらもドイツ語でした。そっかー、ドイツ語ねえー。英語だと「チアーズ (フォア)スキー」と「ミラー」でしょうか。あんまりかっこ良くないな。
意味はわからないけど、あ、これ好きだな、すごくかっこいいな、そう思えるモノは、きっとその時にその人にとって、とても向いているものです。ちょうど今の私が地方史に触れるのが嬉しいように。
昨年末に、北斗市の郷土資料館で行われた『ふるさと歴史講座』に行ってきました。どこかに書いたけど、らんどくの好きな事の1つが、この辺の地域の歴史なんかを調べたり考えたりする事です。
履歴書の趣味・特技の欄には天体観測、国際交流と多言語、それに加えて「地方史の研究」と少々かっこよく書くことにしています。
今回の題目は『松前藩戸切地(へきりち)陣屋跡の再評価』。申し込み日の最終日にあわてて予約の電話をしました。今まで何度か参加してきましたが、これが結構盛況なんです。副題は「ここまでわかった!日本最初の星の城」となっていて、期待できそうです。
普段の地方史サークルの活動は、どこも会員の平均年齢が高くて、参加する人も少なくて、このサークル大丈夫なのかしらと思わさる(北海道弁、思ってしまう)んですが、1度きりの、興味ある分野には、こんなに集まるんだというくらい、沢山の人が来ていました。
受付をしていた北斗市の教育委員会・社会教育の方に聞いたら、30人近くが来ているとのこと。中には道東(物凄く遠い)や東京からの人もいるそうです。会場とコロナの関係で、多分これ以上は無理かなというギリギリの線でした。
1時間半の講座はあっという間でした。もちろん講座の内容も素晴らしかったんですが、らんどくの頭の中には「楽しい、嬉しい、楽しい、嬉しい」がぐるぐるめぐっていたんです。
母の介護で自宅を離れるまでは、こんな風な毎日だったなあ。3つの「趣味・特技」のうち、札幌にいる間には、どれもまともに関われ無かったから本当に久しぶりです。それでも母に家から追い出された夜には、星を見上げられました。(ドラマのようですが、これが結構何度もありました。激昂型認知症は最強です)
多言語サークルとも、細々とメールで繋がってました。でもねー、地方史は無理だったわー。資料もなく時間も余裕も無い時に「松前藩の藩主が大野町(現北斗市)の文月を通って、伊達の善光寺にお参りに行った」なんて無理。
自分の好きな事を出来るって、なぁんて嬉しいんでしょう。学芸員の時田さんの講演を一番前で聞いては大きく頷きました。「戸切地は五稜郭よりも9年早く竣工されており、日本初の稜堡式星形城郭です」「うんうん」
今回の講演で何がすごかったかというと、副題にもあった「ここまでわかった!」というのが「今、日本史業界ではこうなってますよー」的な情報の提供ではなく、学芸員の時田さんが何年もかかって自ら解き明かした事実だということ。
いろいろな資料を使っての、興味深い講演でした。この研究は学芸誌『城郭史研究』に掲載されることが決まったそうです。
今回講演した時田さんだけじゃなくて、学芸員さんって、どの人もみんな「仕事が好きー」って感じです。浅学ならんどくがちょっと聞いただけで、いろいろ教えてくれます。それこそずーっと止まりません。
時田さんとは会合でお隣の席になったことがあります。遺跡について質問するとニッコリとして「まず遺跡には・・」と始まりました😁嬉しそうに話し続ける様子を見るだけで、こちらも歴史って面白いんだろうなあと感じたものです。
北斗市郷土資料館のふるさと歴史講座は次回は1月22日。二股口の土方歳三の塹壕について、だったかな。北斗市は箱館戦争の激戦地だったんですよ。これも楽しみです。もうカレンダーにメモしました。
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コメント
薪ストーブかっこいい!写真から重量感伝わってくるようです。改造ってどうやるんだろう…ワクワク(^^♪
「シーハイル」はそう意味だったのか…そういえば「かっこいい」と感じる言葉を調べるとドイツ語だったという経験多い気がします。日本人の心(の中二病な部分)に突き刺さるというか。英語は身近になりすぎてて生活感伴ちゃうんですよね、私の感想ですけれど(^^ゞ
四稜郭って有名な五稜郭とよく似てるようで、雰囲気が違って不思議な趣のある形ですね。過去のことでありながら現在進行形で解き明かされり歴史というものも不思議で面白そう。次の講座のお話も楽しみにしてます!