『わたしは10歳、本を知らずに育ったの』(公益社団法人 シャンティ国際ボランティア会【編】)を読みました。副題に「アジアの子どもたちに届けられた27万冊の本」とあります。
昨秋から通っている読書アドバイザー養成講座では、毎回課題が出ます。前回は「読書バリアフリーについて、自分達がやってみたい事」という題で2000字分書かなくちゃいけなくて、色々調べたり考えたりしました。この「わたしは10歳〜」は図書館で借りたうちの一冊です。北斗市立図書館には読書バリアフリーについての資料が揃っていて助かりました。
読書バリアフリー法は2019年に成立した新しい法律です。バリアフリーは「障害・障壁(バリア)」が「無い(フリー)」という事ですね。読書のバリアフリーは障害の有無に関わらず、すべての人が読書による文字・活字文化の恩恵を受けられるようにするというものです。法律の施行当時に勤務していた公立図書館でも、大活字本や点字で印刷された本、音響資料なんかを沢山受け入れました。
「障害があって図書館に行きづらい。活字の本が読めない」というと視覚障害や身体障害の方を思い浮かべがちです。でも住んでいる場所がものすごく辺鄙な場所だったり、戦争や内乱でそもそも図書館が機能していなかったりして、本を手にすることが出来ないっていうのも立派な(?)読書障壁です。
今回読んだ『わたしは10歳、本を知らずに育ったの。』を発行しているのは、政治的・経済的事情で本に触れられないアジアの子どもたちに、現地の言葉に訳した日本の絵本を贈っている団体です。絵本は『てぶくろ』『わたしのワンピース』『そらいろのたね』などみんなが知っているロングセラーで、これ我が家にも全部あります。
このシャンティ国際ボランティア会の「絵本を届ける」活動は、ちょっと変わっています。この活動に賛同して参加費3000円を払うと、新品の絵本(もちろん日本語)とアジアの任意の国の言葉のシールが届きます。早速申し込むと、らんどくには『そらいろのたね』が届きました。
シールをハサミでチョキチョキ切り離して、日本語の本文の上に貼り付けて、巻末に募金者の名前を日本語と現地語(私の場合はクメール語)に書いて出来上がり。これを団体に送り返します。ハサミがあれば誰にでも簡単に出来ます。丁寧にゆっくり切っても、20分ほどで完成しました。たぶん小学生でも大丈夫。
簡単だったけど、出来上がるととても嬉しいです。やったー!って感じです。いったいどんな子の所に届くんでしょう。ほんの少しでも手をかけたことで、この絵本にも本を受け取る子どもたちにも、クメール語を使う(多分カンボジアとかの)国にも、そしてこういう活動にも関心が湧きます。素晴らしい。
1番難しかったのが、クメール語での名前書き。ニックネームでも良いという事なので「らんどく」と4文字を書きました。難しいー!これで合ってるのー?と独り言をぶちぶち言いながら書きました。「書く」というより「描く」に近いなあ、この言葉は。
子どもの頃から好きな場所は①図書館②古本屋さん③本屋さんで、憧れの職業も①図書館のお姉さん②古本屋のおじさん③本屋の店員さんだった私らんどくは当然のように本に塗れて大きくなりました。なので書籍とか出版とか図書とかそんな単語を見聞きすると、お鼻がピクピクしますのよ。(らんどくよ、おまえはキューティーハニーか!)
思いもかけずに本を届ける活動のお手伝いが出来て、こいつぁ春から縁起がいいのであります。皆さん、今年もよろしくお願いします。
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