紙パンツを巡る煩悶。場所ふさぎなんです。

「老い」に向き合う
♪明かりをつけましょ 雪洞に~

(この間札幌に行ったときに拵えたひな飾り。うしろの背景に使っている厚紙はもう1年以上使いまわしてます。夏は夜空の花火になったり。ECOなのです。)

息子たちがまだ赤ん坊のころ、歩けもしないうちから靴ばかり沢山持っていました。小さい靴はどれも可愛くて、お値段も手ごろなせいか、じいちゃんばあちゃんが買ってくれる事も多かったし、親になりたての私もついお店で手にとっていました。まだお誕生日前のくせに、生意気に編み上げのスニーカーなんか履かせてたんですよー。親だけが嬉しくて、赤ん坊にはいい迷惑だったでしょう。重いしね。

その頃住んでいた古い小さな住宅には14センチとか15センチとかのちびっこい靴がずらっと並んでいました。だけど世の中の親御さん達ならよーくわかってると思いますが、赤ん坊が大きくなるのは早い。あっという間にほとんどの靴はまだ新品のまま、出番なしになりました。

もったいないから誰かに譲りたいなあと思っても、今のようにフリマアプリもありません。知り合いも友達も少なくて、どうすることもできません。たまに「良かったらどうぞ」と声をかけても、古いものを他人に押し付けるなんてと、悪く取られることもあったりして。バブルの時代だったからかな。

「良いものだから」とか「まだキレイだから」と考えるのは、あげる方の論理です。もらうほうが気持ち悪いとか押し付けられたと感じるのは、ある意味しょうがないことです。けど何よりも古本屋が好きならんどくつんどくとしてはちょっとつまんないなと思っちゃいます。使えるものはみんなで使いましょう。古いものも大事に譲り合いましよー。

もっとずっと昔、私が小さかった時代は「お下がり」は普通のことでした。親戚のお姉さんからワンピースが来たりすると嬉しかったものです。遠くに住んでいるお姉さんたちとは遊んだ事もなかったけど、これチエちゃんから貰ったのなんて思って大事に着ました。

さて時代は移り、リサイクルやリユースという概念も市民権を得ています。SDG’sなんてはじめは何だろうって思っていたけど、すっかりお馴染みになりましたね。わかりやすい本を一冊紹介しましょう。池上彰さんのです。

SDG’sは学校でも子供たちに教えてるし、みんなの意識がより良い方向に向かっていくのでしょう。これを「社会が成熟した」とみるか「ぐるっと巡って価値観が昔に戻った」「バブル期が異常だっただけ」とみるか。(ところでSDG’Sのポスターって色とりどりでイイ感じだと思いませんか?)今なら、服でも靴でも胸を張って譲れます。大体のものはいけます。

そう、あくまで大体のモノは、です。このところ実家のものを売ったり捨てたりしています。母が家に戻って来られないのはもうわかっていて、家にはどうすんのこれ、と言うくらいいろんなモノで溢れてます。だいたいは捨てたり、良さそうなものは売ったり、一部は『じゅんかんコンビニ』に出したり。それでも処分できないものがありました。母が使いかけた大人用の紙おむつ関係です。

大人の紙おむつって、どんな形状のものだと思っていますか?CMではパンツ型のものを宣伝していますね。まるで普通の下着みたい~自分で穿けたわ~とうれしそうな声が印象的です。

パンツ型ばかりじゃないんですよ。私たちも実際に購入する立場になって初めて、いろんな形状・いろんな用途があることを知りました。パンツ型、それに加えてパンツ型の内側に装着する(というか重ねてつける)もの、昔からのオムツ型で紙でできたもの、その内側に重ねて使う小さめの紙オムツ。それぞれに昼用・夜用があり、女性用と男性用があり、デオドラント効果のもの、白いものではなくて薄く色がついたかわいいパンツ型・・・書ききれません。初心者(介護を始めた家族)がドラッグストアに買いに行くと、くらくらすること間違いなしです。当時母が通っていた施設(小規模多機能型居宅介護施設といいます。よくわかんないですよね、24時間対応のすばらしいデイサービスと思ってください)に昼に使う分を持たせると「こっちのほうが便利だよ」とまた違う機能のものを教わったりしてました。

今どきの紙パンツはすぐれもの。84歳と思えないほど腰がまっすぐです。

問題は認知症患者の症状も進む、ということです。小さい子供が歩けるようになるのと反対に、だんだん歩けなくなり、寝たきりになり・・そのたびに状態に合わせた紙オムツが必要になりました。母の場合は秋口までは身体には不自由がなかったのですが、ある日突然右側に傾いたんです。あれー。どうしたんだろうね、なんて言っているうちに、次の日には左に傾き一人で歩けなくなりました。年内には自力で歩けなくなったので、使う紙オムツもパンツ型からオムツ型へ、小さいものから大きいものへどんどん買い替えました。少し使った紙オムツの大袋もどんどん溜まっていきました。60個入りなのに2つ3つ使っただけの袋、ああ、もったいない。これ高いのに。誰か残りを使ってくれないかなあ。

もちろんお店やフリマアプリでは受け付けてもらえないだろなと思っていました。だけど個人で登録して不要品をとりに来てもらうところなら、欲しい人がいるんじゃないかなと思っていたんですがね。コロナの影響なのか違うのか、紙オムツを引き受ける業者さんも『未使用のもの・封を切っていないもの』が条件でした。まあ、身に着けるものですからね、誰かが使った残りなんかイヤでしょうね。でも勿体ないなあ。山と積まれた何種類もの紙オムツ・パンツ関係品(高かったんですからぁ)を実家に残して、また北斗への帰途についたのでした。

ではどうして、それを今の母に使用しないか?それぞれの施設や病院では、大量に仕入れたものを利用者に使っています。家族がドラッグストアの安売りをはしごしなくていいように。(だと思う)様々な装着方法があるいろいろな形と大きさのソレ。今の母の状態にピッタリのものをそのたびに運んでいく自信がありません。そこは今の特養さんにお願いしてます。家にいて紙むつを使っていたほんの短い期間で、付け替えるのがどんなに大変かわかりました。おまけに無理して腰椎脊柱管側弯症になっちゃいましたから、素人が無理するとろくなことはないと思い知りました。施設の皆さん、ほんとうにありがとうございます。

どアップのカセン そろそろ老境

いつも元気すぎるカセンも実は13歳です。もしもの場合は犬用の紙パンツのお世話になるかも。カセンの場合はLサイズかなあ。LLってことはないだろうけど。

にほんブログ村 にほんブログ村へ
にほんブログ村

コメント